サイトへ戻る

DJでPCを使うことについて

たまには真面目なことを書きたい

こんにちは、ΣISAKAです。
未だ某の情勢も落ち着かず、かれこれ数か月DJ活動をできていない状態です。そろそろDJについて考えないと自分が何者か分からなくなりそうで怖くなり、ブログ更新に至りました。そういえばDJで使用しているMacbookを破壊した可能性が浮上してきました。貧乏人には修理費が重すぎる。

さて、今回のテーマですが、タイトルにもある通り「PCを使ったDJプレイについて」です。特段偉そうなことを書くつもりはないです。ただの感想文です。約2年くらい色んな場所でDJをさせて頂いてきました。僕はデビュー当初はMIDIコントローラを会場に持ち込んでのプレイがほとんどで、1年経った頃(大体それくらい)からHID接続(PCとCDJ、ミキサーをケーブルでつなぐ方法)とPro DJ Link(PCとCDJをLANケーブルを使って接続する方法)のDJスタイルに移行していきました。理由は単純でMIDIコントローラを持ち運ぶのが大変だったからです。その活動の中で感じたいい所悪いところ諸々を書き連ねたいと思います。あくまで僕の主観による内容なので悪しからず。ということで本題、の前にHID接続とPro DJ Linkについて簡単におさらいをしましょう。知らない人もいるかもしれないので。

HID接続とは

HID接続とは「PCとCDJ」または「PCとミキサー(コントローラとしてCDJにも接続)」を下の写真のようなA-Bケーブルで接続してDJプレイを行うセッティングを行うことです。このケーブルは初心者の方がよく購入されるDDJ-400とPCを接続するケーブルと同じものですね。

broken image

HID接続の方法は上にも書いた通り2種類あって、その違いは
「PCから出力した音をどこから出すか」という点です。下の二枚の画像で違いを表現してみました。使用ソフトはAdobe Illustratorです。高級ソフトの無駄使い。

画像1

broken image

画像2

broken image

上の図がCDJのみにケーブルを刺した状態、いわゆる2本刺しで、下の図がミキサーにも刺した3本刺しの状態です。

2本刺しの際はPCから再生される音を一度CDJを通して、オーディオケーブルを通じてミキサーに音が入り、そこからスピーカーに渡って音が出るのに対して、3本刺しの状態ではPCから直接ミキサーに音を流し、そこからスピーカーに音が渡って音が出ます。一見同じようなことをやっているように見えますが、その本質はちょこっと違います。3本刺しの場合はCDJから音が出ることは無く、あくまでDJソフトのコントローラとしてCDJを使用しています。

因みにDJM-900nxs2というミキサーとCDJ-2000nxs以上のモデルのセッティングで、それぞれをLANケーブルで繋いだ状態にするとA-Bケーブルが1本あるだけで3本刺しと同じような操作ができるらしいです。(その辺り詳しくないので有識者の方いらっしゃったら教えて下さい)

以上がHID接続の簡単な説明です。

Pro DJ Linkとは

こちらはLAN接続とも言われる接続方法です。下図の通りPCをLANケーブルでそれぞれのCDJに接続し、それぞれのCDJに「楽曲を転送して読み込ませて再生する」という方法です。

broken image

HID接続ではPCから音を流すのに対してこちらではあくまでPCから楽曲をCDJに転送した上で再生しています。すごいざっくりいうとUSBをCDJ片方に刺すと反対側のCDJからも楽曲が読み込むことができるのと同じ状態ですね。(伝わらなかったらごめんなさい)

簡単(?)に説明が終わったところで本題に入りましょう。

HID接続のことについては(HID)、Pro DJ Linkについては(LAN)、両方のことについては(両方)とタイトル近くに書いておきますので気になる方は参考にしていただけると。

PCDJのいいところ

1.旧型のCDJの機能を拡張してプレイができる(HID)

個人的にHIDを使う最大のメリットはここにあるように感じます。pioneer DJ製の再生プレイヤーCDJの現行最新機種はCDJ-2000nxs2です。この機種か、そのひとつ前の機種であるCDJ-2000nxs、またはCDJ-900nxsを導入しているクラブが多いです。しかし、会場によってはそのさらに前の機種であるCDJ-2000やCDJ-900、CDJ-850が設置されていたり、家庭用として開発されたCDJ-350が設置されていたりと会場によってCDJの機種は異なります。(pioneer DJ製のプレーヤー以外が設置されている場合は例外とする)

CDJ-2000以下の機種は現行機種に比べて劣る点(例:部分波形が見られない、BPMが正確に表示されないetc...)が多く、最新機種に慣れているプレーヤーはちょっと苦戦したりってこともあります。ですが、HID接続することでそういった面を補うことができ(rekordbox DJ上では部分波形も正確なBPMも見られる)、旧型のCDJで最新機種と同じような環境を構築することができます。これが本当に楽。

2.楽曲の検索ができる(両方)

これは2つの接続方法共に言えることなのですが、PCを使用することで使いたい楽曲をPC上で検索することができるようになります。USB使用時にもBPMやタイトル名などで並び替えて探すことが可能ですが、こっちのほうがもっと早く探せます。多分。USBでプレイするときにありがちな「あっ、あの曲使いたいと思ったのにUSBに入れるの忘れた~!」なんてことも起きません。PC上には(多分)持ってる曲が全て入っているわけですし、探せば出てきます。現場でとっさに繋ぎをひらめいた時にすぐに探せて実行できるのでとってもおすすめ。

3.接続と操作が楽(LAN)

これはPro DJ Link使用時に言えることなのですが、接続がとっても楽です。PCのLANポートにLANケーブルを刺してPC側でLINKボタンが出てきたらそれを押すだけです。その後画面に表示されているCDJの部分に楽曲をドラッグアンドドロップすると楽曲がCDJに転送されます。後はCDJの基本的な使い方をするだけでプレイができます(CDJの使い方については各自調べてください[丸投げ])。

4.バックパネルにステッカー貼っておくと何か映える(両方)

これはプレイに直接関係ないことなのですが、PCのバックパネルに色んなステッカーを貼り付けてブースに置いておくといい感じになります。DJの好きなコンテンツが分かるし、いい感じになります(2回目)。

個人的に好きなCDをブースに飾るのにハマってます。これは半分くらいは自己満です。

ここまでPCを使うことによるいい点を書いてきましたが、ここからはPCでDJを行うデメリットについて書いていこうと思います。

PCDJのよくないところ

1.ケーブルを抜くと音が止まる(両方)

これはごく当たり前といえばそうなのですが

HID2本刺し→2本のうちどちらかを抜くと音が止まる

HID3本刺し→ミキサーに刺しているケーブルを抜くと音が止まる

Pro DJ Link→LANケーブルが抜けると音が止まる

以上のように線が抜けると音が止まります。特にHID2本刺しの場合は注意が必要で、「番手が終わる→転換のためにケーブルを抜く→音が止まる」みたいなケースはあったりします。気を付けよう。

Pro DJ Linkの場合LANケーブル自体はツメが付いているので、抜けることはありませんが、USBで接続しているハブが抜けて音が止まるなんてこともあります。ケーブルには細心の注意を払いたい。

2.使用に際して知識が必要(HID)

HID接続を使用するに際して最も注意したい点が「ドライバとソフトのインストール忘れ」です。ミキサーにケーブルを刺してHID接続を行う際には各ミキサーに対応したドライバのインストールが必要になりますし、HID2本刺しを行う際にはrekordbox DJのオーディオ設定を変更する必要があります。特にMacを使用して2本刺しを行う際には専用のソフト「CDJXDJ aggregator」が必要になります(こちらはミキサーのドライバをダウンロードする際に一緒に入ってきます)。というように前知識なしでHID接続でプレイしようとするとソフトをインストールしてないなどトラブルが起こりがち(実際僕もやらかしたことがある)なので、十分注意したいところ。

他にもCDJ-850やCDJ-350はHID接続で使用する際に一癖あるのでこちらも要注意。具体的にはCDJ-850は2本刺しの際にどちらかの再生モードを変更すると音が止まります。CDJ-350で2本刺しをする際にはCDJのモードを事前に変更しておかないとPCが認識してくれないといった仕様に頭を抱えさせられます。

(そもそもCDJ-350は家庭での使用を前提として作られたCDJ[のはず]なので、転換という概念が考えられていないのかもしれません。850は許さん)

3.PCを置くためのスペースが必要

これは会場によって異なりますが、規模の小さい会場だとDJブースが狭くてPCが邪魔になるケースが考えられます。特にVJさんと一緒にプレイする場合更に場所が狭くなります。こういった場合には事前に会場のチェックを行い、PCスタンドを持ち込んだりUSBを予備として用意するなど対応策を講じておくのが吉だと思います。VJさんのスペースを圧迫したり機材の上にPCを置くのは控えたいので、自分なりにできる最善策を用意しておきたい。当日会場に行って音が出せないのが一番辛いですしね。

4.転換時にトラブルが起きやすい(HID)

上記1番2番に通じるところがありますが、HID接続同士のDJ転換の時にある程度の慣れが必要になってきます。(どのケーブルを抜いていいのか、ミキサーのどのチャンネルを使うのかetc...)個人的に転換が一番緊張します。事前に流れている前の番手のDJさんの音を止めずにちゃんと転換するのは今でもちょっと怖いです。(前述のとおりCDJ-850や350の場合簡単に音が止まるので・・・)そういった知識は経験からくると思うので、HIDからHIDの転換が怖ければ1曲目はUSBから再生、その後にHIDの用意などするとよいかもです。実際僕もそうやってました。

5.PCのコンディションによって音が止まる(HID)

HID接続ではDJソフトをPC上で起動し、複数の端末と接続するため、PCに結構な負荷がかかります。スペックや経年劣化が原因で音がぶつ切りになったり、最悪の場合PCがフリーズして再起動が必要になることもあります。そんな時に再起動に意識を向ける余り無音状態が続くってこともあり得ます。これがシチュエーションとして1番怖いかもしれません。その場合、予備としてUSBを用意してそれを使用してプレイを続行するなど、可能な限り音を止めた状態を短く済ませるための努力は必要だと思っています。僕自身が音を止めたとして、そこから冷静にUSBを刺してプレイ再開できる余裕があるかどうかは分からないです。こわい。

PCDJプレイヤーとして考えたいこと

そんなこんなでクソ長文章を製造してしまった訳ですが、この件について賛否両論あるのは分かります。メリットデメリット双方沢山あって、沢山の意見があるのは至極当たり前のことだと思います。HIDやPro DJ Linkは使いこなせればプレイの幅も広がるし、特に現場で選曲するときの快適さはUSBを圧倒していると思います。しかし、その利便性の裏には相応のリスクがあることもまた事実としてある訳で、PCDJプレイヤーとしてそういったトラブルには柔軟に対応できるように準備しておきたいなと思っています。プレイ中の小脇にUSBを構えておくだけで結構気持ちが楽になったりもします。僕はまだ経験したことがありませんが、絶対に失敗できない現場(大箱など)でセトリ決め打ちで回す際は安定性の観点からUSBを使用しようと考えています。ただ普段の出演に際してはこれからもPCDJでプレイしたいです。トータルで楽なので。

 

ということでこの記事は以上となります。長々とお付き合い頂きありがとうございます。

先日告知していたアニプロムも延期となり、某の情勢も未だ先の見えない状況が続いていますが、この情勢が明るくなったらぜひまた会場で皆で遊びたい。僕の今の一番の夢はそれかな。

 

それまでに沢山練習したりアニメ見たりして強くなっておきます。また一緒に思いっきり遊びましょう。